バッドボーイズは銃撃戦が派手 でも本当に暴れているのは音楽です。カーチェイスの加速度を1.5倍にしてくる 眠気を消し飛ばす 心拍を勝手に上げる。あのシリーズを見終わったあと 体はソファにいるのに 頭の中だけマイアミの夜に置き去りになることがあります。原因はだいたいサントラです。
1作目は1995年。監督はマイケル ベイ。主演はウィル スミスとマーティン ローレンス。2作目もベイが続投して 爆発と熱量を増量。3作目の「Bad Boys for Life」と4作目の「Bad Boys: Ride or Die」はアディル エル アルビとビラル ファラーが手綱を握り 映像も音楽も現代のクラブ仕様にアップデートされました。
そして忘れちゃいけないのが劇伴。1作目はマーク マンシーナ系の熱いハリウッドアクションの匂い。2作目はトレバー ラビンが厚めの低音で突っ込んでくる。3作目と4作目はローン バルフがシリーズのテーマを今の耳に合う形で再定義した印象です。派手なヒップホップやラテンが話題になりがちですが 実は劇伴がシリーズの背骨だったりします。
というわけで今回は 1作目から4作目までに使われた音楽を 私の偏見でベスト10に絞りました。厳密に言うと ここから先は思い出補正も混ざる。だってバッドボーイズって そういう作品じゃないですか。
まず前提 バッドボーイズの音楽はなぜ刺さるのか
マイアミは映像より先に音で分かる
バッドボーイズはロケーションの説明をあまりしません。代わりに音楽が全部やります。湿気 ネオン 速い車 ちょっと危ない笑い。これを文章で説明すると長い。でもビートが鳴った瞬間に だいたい理解できてしまう。視聴者に優しいのか乱暴なのか 微妙なラインです。
二人の掛け合いとリズムが同期する
マイクとマーカスの会話は 早口というよりもテンポ芸です。そこにサントラのグルーヴが乗ると 口喧嘩すら音楽の一部みたいになる。何を言ってるかより どう転がるか。まるでラップの応酬。見ている側は勝手にノッてしまう。
時代の匂いをそのまま閉じ込める
1995年のR&Bとレゲエ寄りのポップ。2003年の南部HIPHOPと派手なクラブバンガー。2020年以降のラテンとグローバルポップ。作品を追うほどに 当時の空気が音で残っている。シリーズものの強みが ここで一気に効いてきます。
ところであなたはどのバッドボーイズが一番好きですか。1作目のちょいワル感 2作目の暴走 3作目の人生の重み 4作目の無茶と友情。答えが割れたら それも音楽のせいかもしれません。
バッドボーイズ 音楽ベスト10 1作目から4作目まで
第10位 Shy Guy – Diana King 1作目
1作目のサントラを語るなら まずこの名前が出る。軽快で色気があって ちょっとだけ危うい。まさに若い頃のマイアミの夜そのもの。アクション映画にこの手のノリを混ぜると 画面の温度が一気に上がります。銃が出ても怖くないわけじゃないのに なぜか楽しい。危険なことを楽しいと言い切るのが バッドボーイズの出発点だと思っています。
第9位 Shake Ya Tailfeather – Nelly P. Diddy Murphy Lee 2作目
2作目の象徴。音が鳴った瞬間に 時代が2003年にワープします。ベイの映像はカロリー過多で そのままだと胸焼けする危険がある。でもこの曲が入ると 何故か全部スポーツに見えてくる。爆発もカーチェイスも ダンスの一部。倫理観は置いてきた。そういう瞬間の気持ちよさがあります。
第8位 Bad Boys – Inner Circle シリーズの看板曲
これが流れたら もう説明不要。視聴者の脳内に「これからバカなことが起きるぞ」というテロップが出る。歌詞がどうとかよりも コールとリズムがシリーズのロゴみたいな役割をしています。テーマ曲が強いシリーズは多いですが バッドボーイズの場合 ちょっとふざけた顔をしながら ちゃんと看板を背負ってくるのが良い。真面目なだけだと バッドボーイズではない。
第7位 Damn! – YoungBloodZ feat. Lil Jon 2作目
2作目のサントラは とにかく押しが強い。その中でもこの曲は 低音の圧がすごい。画面の爆発に負けない。音が爆発してるから。夜のマイアミの治安が悪くなる感じがして そこが最高です。危険が近いのに つい笑ってしまう。ベイの悪趣味とサントラの悪趣味が噛み合うと こういう中毒が生まれます。
第6位 RITMO (Bad Boys for Life) – Black Eyed Peas J Balvin 3作目
3作目は 作品の空気が少し変わる。年齢の影が差す。だけど この曲が入ると まだ走れるじゃないかと思わせてくる。ラテンの熱とポップの分かりやすさ。タイトルに作品名を入れてくる潔さ。いわゆる主題歌枠ですが ただのタイアップではなくて シリーズのエンジンの再点火に使っている。そこが好きです。
第5位 TONIGHT (Bad Boys: Ride or Die) – Black Eyed Peas El Alfa Becky G 4作目
4作目の看板ソング枠。いかにも現代のグローバルサントラで 派手で速い。バッドボーイズって こういう最新クラブ感を取り込むのが上手いんですよね。作品が歳を取っても 音楽は若い。逆にそのギャップが マイクとマーカスの哀愁を際立たせる。彼らが走る理由が友情だけじゃなくて 意地にも見えてくる。そこが良い。
第4位 LIGHTS OUT – E BIA JID 4作目
4作目の中でも攻めた空気を持っている曲。ビートがタイトで 言葉が鋭い。シリーズの陽気さだけじゃなく ちゃんと危なさを思い出させてくれます。バッドボーイズはコメディ色が強いのに ふとした瞬間にリアルな暴力の匂いが出る。その切り替えを この手の曲が支えている印象です。笑っている最中に背筋が冷える。好きだなあ こういうの。
第3位 劇伴メインテーマ系 Mark Mancina 1作目
ここで劇伴を入れます。1作目の劇伴は ハリウッドアクションの王道の熱さがある。金管とシンセとドラムで正面突破。ヒップホップの派手さが注目されがちですが 実はこの王道があるから 作品が締まる。若い二人の無鉄砲さが ただの悪ふざけではなく ヒーロー映画の顔になる。シリーズの土台って こういうところにあると思うんです。
第2位 劇伴の暴走とド派手感 Trevor Rabin 2作目
2作目の劇伴は とにかく厚い。映像に負けないように 音も筋トレしてきた感じがする。ベイの演出が極端なので 普通の音楽だと置いていかれる。でもラビンは置いていかれない。むしろ一緒に暴走する。結果 画面が映画というよりアトラクションになる。正直 2作目はやり過ぎだと思う瞬間もあります。だが そのやり過ぎを成立させた功労者として 劇伴を高く評価したい。
第1位 劇伴で再定義されたバッドボーイズ Lorne Balfe 3作目 4作目
1位も劇伴。ここは完全に好み。3作目と4作目は 作品のトーンが変わる。若さだけの無敵感が消える。代わりに人生の重みが入る。その変化を 音楽がちゃんと引き受けたのがバルフだと思っています。シリーズのテーマを現代の音で再構築して 友情の熱と哀愁を同時に鳴らす。派手なサントラ曲が流れても 作品の芯がブレないのは 劇伴が芯を握っているから。あなたはアクション映画で いつ劇伴に泣かされましたか。派手な爆発より 静かな旋律の方が刺さる夜があるでしょう。
シリーズ別に音が違う ざっくり聞き分けガイド
1作目 1995年 ちょい甘いR&Bと王道アクション劇伴
まだ若い。まだ軽い。まだ怖いもの知らず。音も同じです。聴いていると 当時のハリウッドの空気がそのまま出てくる。映像のギラつきも どこか素直。バッドボーイズの原液がここにある。
2作目 2003年 低音とクラブと暴力的テンション
音が太い。速い。うるさい。褒めています。シリーズの中で最も攻撃力が高いのが2作目で それは音楽にも出る。サントラを流すだけで部屋が急に暑くなる。夏の夜向け。
3作目 2020年 グローバルポップと人生の影
現代に合わせてアップデートしつつ キャラクターの年齢を無視しない。軽さと重さが同居するのが3作目の音。バッドボーイズでこんな気持ちになるとは思わなかった という瞬間がある。
4作目 2024年 さらに国境を超える そして劇伴が強い
ラテンとヒップホップが混ざって とにかく世界向け。サントラは新しいのに 物語は長年の積み重ねがある。その差が味になる。懐かしさと最新が同じ画面に並ぶ。シリーズものの醍醐味です。
ベスト10をもっと楽しむ コツと聞き方
映像なしで先に聴くと シーンが勝手に再生される
バッドボーイズの曲は 映像の記憶と結びついているものが多い。先に聴くと 脳が勝手に編集を始める。通勤中にやると 少し危険です。歩く速度が上がる。車道に出ないように。
劇伴は作業BGMに強い
サントラ曲は派手なので集中が飛ぶこともある。劇伴は逆に集中を引っ張る。コーディング中に流すなら劇伴から入るのもアリ。特に3作目と4作目のバルフ系は ほどよく熱く ほどよく締まる。締切前に向く。
友達と語るなら 好きな曲より好きな瞬間を言う
曲名を覚えていなくてもいい。あの追いかける場面の曲 あの登場シーンの音。そういう話の方が盛り上がります。バッドボーイズは映画というより体験なので 音楽の記憶も体験として残りがちです。
裏側の話 音楽がシリーズの顔を作った
ウィル スミスのスター性とサントラ文化
90年代から2000年代のハリウッドは サントラが強かった。映画がヒットするとサントラも売れる。サントラが売れると映画も強くなる。相互ブーストの時代です。ウィル スミスはその波に乗ったスターの一人で バッドボーイズも例外ではない。映画の熱を音楽が持ち帰って 街でまた燃える。そういう循環が確かにありました。
監督が変わっても マイアミの音は捨てなかった
ベイからアディル&ビラルへ。映像の手触りは変わる。でも「マイアミっぽい音」を捨てなかった。ここが賢い。シリーズものは 変えすぎると別作品になってしまう。音楽はアイデンティティの最後の砦。そこを分かっているから 4作目まで走れたと思っています。
バッドボーイズが好きなら刺さる ついでに見たい映画
マイアミの熱と音を浴びたいなら
マイアミ バイス。映像と音が一体になって夜を作るタイプの作品で バッドボーイズと血縁関係を感じます。雰囲気で殴ってくる感じが好きなら相性が良い。
相棒の掛け合いとリズムが欲しいなら
リーサル ウェポン系のバディムービー。笑いと危険の距離感が近い。音楽の派手さは別ベクトルですが 「二人のテンポで走る」楽しさは同じです。
アクションとサントラの中毒性で行くなら
ワイルド スピードの初期。音楽が時代の匂いを閉じ込めて 映像と一緒に暴れる。その快感はバッドボーイズと同系統です。作業用BGMとしても意外と強い。
おまけ この記事を読んだ直後にやると楽しいこと
ベスト10から3曲だけ抜いて 自分用の短距離プレイリストを作る
10曲全部だと長い。忙しい社会人は短距離でいい。通勤片道分の3曲。テンションが欲しい日は2作目寄り。少し元気が欲しい日は3作目と4作目寄り。夜に背中を押して欲しい日は劇伴寄り。これだけで日常が少しだけ映画になります。
逆に しんどい日はテーマ曲を外す
これは本気の話。Inner Circleの「Bad Boys」を聴くと 気持ちが戦闘モードに入りやすい。今日は穏やかに過ごしたい。そういう日は外す。音楽は気分を変える道具なので 自分のコンディションに合わせて使うのが一番です。
ここまで読んで もう一回どれか見直したくなってませんか。なっていたら勝ち。音楽って そういう反則技です。
