地獄楽 第2期は何が怖くて何が美しいのか 画眉丸と佐切の地獄観光は続く

地獄楽の良さって、ざっくり言うと二つです。ひとつは血と花が同居しているところ。もうひとつは人間の顔が一番グロいところ。刀で斬られるより、信念が折れる瞬間のほうが痛い。そういう作品です。

第1期で神仙郷に上陸して、死罪人と処刑人がいったん共闘っぽい空気になった。なったけど、安心したら負け。島は優しくないし、天仙はもっと優しくない。画眉丸の不死身も万能ではない。佐切の理屈も万能ではない。万能じゃない二人が、万能じゃないまま前に進む。そこが地獄楽の沼です。

第2期は2026年1月11日から放送と配信が始まる。日曜の夜に、体力を削りに来る編成。嫌いじゃない。配信も用意されていて、Prime Video、Netflix、Leminoで日曜深夜に追える。生活が乱れる人が続出しそうで、むしろ安心しました。

ここから先は、地獄楽 第2期を楽しむための読み物です。作品の空気、裏側、キャスト、音楽、そして個人的な偏見。順番は整えません。思いついた順に語ります。島みたいに、道が分かりにくいほうがワクワクするので。

地獄楽 第2期の基本情報 放送と配信 まずは手を動かす系

テレビはテレ東系ほかで2026年1月11日から。毎週日曜の23時45分。配信は日曜の24時15分から、Prime Video、Netflix、Lemino。地方局やAT-Xも順次。追いかける人は、録画と配信の二段構えが安全です。

第1期は見たけど少し忘れている。そんな人は第2期の1話前に第1期の終盤だけでも見直すといい。島のルールを思い出すだけで、緊張が戻る。

第2期のスタッフ 作品の体温を決める人たち

アニメ第2期の制作はMAPPA。企画はツインエンジン。監督は牧田佳織。シリーズ構成は金田一明。キャラクターデザインは久木晃嗣。音楽は出羽良彰。ここ、地味に大事です。地獄楽は映像の派手さより、テンポの切れ味が命。カットの置き方が一瞬ズレるだけで、怖さが薄れるタイプの作品なので。

そして美術、色彩、撮影が組み上がって初めて神仙郷が呼吸し始める。花が綺麗で、同時に不穏。あの気持ち悪いほどの美しさは、現場の総合力です。

主演にあたる声優 画眉丸と佐切の声が強すぎる

主演クラスの声、つまり画眉丸と佐切。画眉丸は小林千晃さん。乾いた声で淡々と喋るのに、奥に熱がある。感情を出さない芝居が上手い人ほど、感情が出た瞬間が怖い。地獄楽はその怖さを味わう作品でもあります。

山田浅ェ門佐切は花守ゆみりさん。芯があるのに脆い。真面目なのに揺れる。そこが良い。佐切は正しさで戦っているように見えて、実は迷いで戦っている。花守さんの声は、その迷いを隠さずに出してくる。視聴者の心も一緒に揺らす。

他の主要キャラも第1期からの流れで強い。弔兵衛、桐馬、杠、士遠、ヌルガイ、巌鉄斎、付知、殊現、十禾、清丸、威鈴、メイ、天仙。誰が出てきても「生き残りそう感」が薄いのが地獄楽の怖さ。声優の配役が豪華だからこそ、退場の気配が増す。残酷な相乗効果です。

第2期は何を描くのか 神仙郷の次の段階

第1期は導入でした。そう言い切るのは乱暴だけど、事実として第2期はギアが上がる。天仙という存在が、島のルールを人間の常識から引き剥がす。斬っても終わらない。燃やしても終わらない。終わらない相手と戦うと、人間は自分の中のルールを壊し始める。そこからが本番。

仙薬を探すという目的は単純。でも目的が単純なときほど、手段が地獄になる。協力するしかない。協力したくない。信じたい。信じられない。感情が渋滞して、刀が滑る。地獄楽はその渋滞を丁寧に描く作品です。

第2期のあらすじとして公式でも触れられているのが、天仙の居城に辿り着いた一行が、生還のために死罪人と執行人の区別を超えて協力せざるを得なくなること。そして幕府側が追加上陸を命じ、島はさらに混線していくこと。つまり地獄が混む。混んだ地獄ほど面白い。嫌な言い方だけど、本音です。

地獄楽の面白さはバトルではなく会話にある だと思っている

バトルは派手。MAPPAはそこを外さない。けど僕が本当に見たいのは、斬り合いの直前の間です。言葉がちょっとだけ遅れる瞬間。相手の正しさを理解してしまう瞬間。理解したうえで斬る瞬間。ここが地獄楽の味。

画眉丸は、殺しのプロでありながら、家庭の話になると途端に不器用になる。佐切は、処刑人としての職務を背負いながら、正しさが揺らぐたびに顔が変わる。二人とも強いのに、強さの方向が違う。だから会話が面白い。息が合わないのに一緒に進む、妙な相棒感。最高です。

音楽 OPとEDが第2期の温度を決める

第2期のオープニングテーマは「かすかなはな」。キタニタツヤ feat. BABYMETAL。組み合わせが強い。キタニの言葉は影があり、BABYMETALは体温がある。影と体温が混ざると、地獄楽の匂いになる。歌詞の切れ味も含めて、映像が乗った瞬間に一段階怖くなるタイプのOPです。

エンディングテーマは女王蜂の「PERSONAL」。これも刺さる。女王蜂は、綺麗なものを綺麗と言わずに、綺麗さで殴ってくる。地獄楽のEDに合うのはそういう音。作詞は薔薇園アヴ。編曲は女王蜂、塚田耕司。エンドロールで心拍が落ち着くと思ったら大間違い。むしろ夜が長くなる。

劇伴の音楽は出羽良彰さん。第1期からの流れを継ぎつつ、天仙側の異質さを音で増幅してくるはず。地獄楽は視覚だけでなく聴覚で気持ち悪くなる。そこが好きです。

裏側の話 MAPPAの仕事は線の美しさだけではない

MAPPAの話になると、作画がどうとか、アクションがどうとか、そこに視線が集まりがちです。もちろん大事。でも地獄楽の場合は、怖さの配分がポイントだと思っている。花をどれだけ綺麗に描けるか。血をどれだけ嫌に描けるか。同じ画面に同居させるセンス。ここが難しい。

第2期は天仙との全面対決に近づく流れになる。つまり人体の限界を超える描写が増える。過剰にグロくすればいいわけではない。逆です。ちょっとだけ抑えたほうが、想像が走って怖い。そこをどう作るか。撮影と色彩設計の判断が光る場面が増えるはず。

そしてもう一つ。地獄楽は情報量の多い作品です。設定もキャラも多い。だから整理しすぎると味が消える。でも散らかしすぎると迷子が出る。このバランスを、監督とシリーズ構成がどう乗りこなすか。第2期はここが見どころだと感じています。

第1期からの復習 ここだけ覚えていれば第2期に飛び込める

神仙郷は優しくない そして理屈が通らない

島は楽園ではない。名前に騙されるな。花は罠。水も罠。空気も罠。人間の判断を鈍らせる要素だらけ。

死罪人と執行人の関係は固定ではない

最初は監視と護送。でも途中からそれどころではなくなる。信頼っぽいものが生まれ、同時に裏切りの芽も育つ。

画眉丸の動機は単純で強い

帰る。生きる。妻のもとへ。単純だから折れにくい。折れにくいからこそ、折れたら怖い。

佐切は正しさの人ではなく迷いの人

処刑人としての役割と、人としての感情。その間で揺れる揺れる。揺れるからこそ、選んだ瞬間が熱い。

第2期の見どころを思いついた順に並べる

天仙の圧 ルールそのものが敵

強い敵ではなく、世界観が敵になる。これが地獄楽の怖さ。斬っても終わらない相手を前にすると、人間は精神から壊れる。そこを丁寧に描いてくれたら、もう満点です。

チームの再編 共闘は気持ち良いが危うい

共闘は燃える。だけどこの作品の共闘は、次の裏切りの予告でもある。仲間が増えるたびに不安が増える。美しいストレス。

画眉丸の人間味 ここが出ると泣きそうになる

無表情で戦っているようで、妻の話になると一気に人になる。その瞬間が好き。強い忍者が家庭の話で弱くなるの、反則です。

佐切の決断 迷いの積み重ねが刃になる

佐切は一足飛びに強くならない。迷って迷って、それでも前に出る。あの筋肉ではない強さが好きだ。芯の強さ。執念の強さ。静かな強さ。

ヌルガイとメイの存在が空気を変える

子供がいると、世界は残酷さを増す。守るべきものがあるだけで、大人の判断は歪む。その歪みがドラマを濃くする。

映画好きにも刺さる理由 地獄楽はジャンルの混ぜ方が上手い

地獄楽はバトルアニメの顔をしている。けれど中身はホラーであり、サスペンスであり、人間ドラマでもある。映画的だなと思うのは、場面の切り替えが早いのに感情が置き去りにならないところ。派手な場面の直後に、急に静かになる。静かな場面で一番怖いことを言う。こういう緩急は映画の手つきに近い。

それに、神仙郷の美術がそもそも映画的です。強い色。強い陰影。画面の奥に情報が詰まっている。流し見していると見落とす。見落としてもストーリーは追える。でも見直すとゾッとする。そういう画作りは、映画のリピート耐性に似ている。

二つだけ質問していいですか

あなたは、正しさのために誰かを斬れますか。職業だから、という言い訳で。僕は多分無理です。無理な人間が、無理な世界を見るから面白い。

もう一つ。帰る場所がある人間と、帰る場所がない人間。どっちが強いと思いますか。画眉丸を見ていると、強さの定義が揺れてくる。そこが地獄楽の毒。

第2期を楽しむコツ 予告やPVは見過ぎない

PVはテンションを上げる。上がる。だけど地獄楽は、知らない天仙と出会う瞬間が一番楽しい。気味悪さの初見の破壊力。あれを守りたい。だから、PVは一回だけでいい派です。二回見ると慣れる。慣れは地獄楽の敵。

そして可能なら暗い部屋で見る。音量は少しだけ上げる。EDまで席を立たない。日曜の夜がちょっとだけ地獄になる。良い地獄です。

地獄楽 第2期が好きなら これも刺さるはず

チェンソーマン

暴力が派手なのに、感情がやたら生々しい。人間の弱さを隠さない。地獄楽の残酷さが好きなら相性が良い。

呪術廻戦 渋谷事変周辺

強い敵と戦う話ではなく、世界が壊れる話になっていく。味方が減る。緊張が増える。胸が痛い。そこが似ている。

ドロヘドロ

汚いのに美しい。意味が分からないのに納得させられる。地獄楽の神仙郷が好きなら、あの混沌もいける。

進撃の巨人 初期の恐怖

理不尽な存在が日常を壊す感覚。戦っても終わらない絶望。天仙に近い圧がある。

映画なら アナイアレイション 消滅領域

美しい自然が怖い。説明できないものが怖い。神仙郷の不穏な美しさが好きなら刺さる。

映画なら ザ レイド

理屈抜きの肉体戦。息をする暇がない。地獄楽のアクションが好きな人に向く。

偏見込みの一言 地獄楽は疲れている社会人ほど効く

疲れているときほど、頭を空っぽにしたい。分かる。でも地獄楽は空っぽにさせない。むしろ心の隙間に、花の形をした不安を植えてくる。月曜の朝に思い出す。なんで思い出すんだよ。そういう作品だ。

第2期は始まる。神仙郷は続く。画眉丸と佐切は、まだ帰れない。帰れないから面白い。嫌なことを言っている自覚はある。だが、地獄楽にはこの意地悪さが似合う。

(Visited 1 times, 1 visits today)