ジョジョを読むと、勝手に洋楽オタクになってしまうワケ
ジョジョの奇妙な冒険を真面目に読み込んでいくと、ある瞬間ふと気づきます。
「あれ、このスタンド名って、あのバンドじゃない?」
「え、ノートリアス・BIGってあのラッパーのこと?」
「リンプ・ビスキットまで出てくるの!?」
第4部以降のスタンド名やキャラ名は、
ミュージシャン・バンド・楽曲・アルバム名を元ネタにした“音楽オマージュ”のオンパレードです。
本記事では、映画評論家かつ音楽オタク目線で
- 荒木飛呂彦と音楽の関係
- 第4部〜第6部に登場する主な音楽オマージュ
- ノートリアス・BIG、スパイス・ガール、グー・グー・ドールズ、リンプ・ビスキット、マリリン・マンソンもしっかり解説
- 海外版で名前が変えられた「ローカライズ問題」
- 音楽ネタを知ると、作品の見え方がどう変わるか
を、第4部・第5部・第6部の“音楽オマージュほぼ完全リスト”付きで整理していきます。
WordPressにそのままコピペできるよう、見出し構造も意識したWPセーフ版です。
ジョジョと音楽オマージュの基本構造
タロットからロック/ポップスへ
まず大枠のルールをおさえておきましょう。
- 第3部:スタンド名は「タロットカード」「エジプト神」が中心
- 第4部以降:スタンド名・キャラ名の多くが“音楽由来”にシフト
これはジョジョWikiの「文化的参照」ページなどでも明言されています。
荒木飛呂彦自身が洋楽・ロック・ソウル・R&Bの大ファンで、
特に Queen、Prince、Pink Floyd、King Crimson といったアーティストへの愛はインタビューや考察記事でも繰り返し語られています。
その結果として、
- スタンド名=バンド/曲/アルバム
- キャラ名=アーティストのもじり
- 章タイトル=楽曲タイトル
という“音楽三段活用”が生まれ、
ジョジョは「物語+音楽カタログ」のような作品へと進化していきました。
ここからは、いよいよ第4部〜第6部を部ごとに分けて「音楽オマージュ一覧」+解説をしていきます。
第4部「ダイヤモンドは砕けない」
街全体が“ロックとポップの宝石箱”
第4部は「杜王町」という一つの街を舞台にした群像劇。
そこで活躍するスタンド名も、街の空気に合わせたポップでカラフルな音楽ネタが多めです。
以下では、主な音楽由来スタンドをリストアップします(代表的な元ネタに絞っています)。
主要キャラのスタンド
- クレイジー・ダイヤモンド(東方仗助)
- 元ネタ:Pink Floyd「Shine On You Crazy Diamond」
- 壊れたものを直す優しい能力と、「狂おしいほど輝くダイヤモンド」というタイトルのニュアンスが見事にリンク。
- キラー・クイーン(吉良吉影)
- 元ネタ:Queen「Killer Queen」
- そしてサブ能力「シアー・ハート・アタック」は同名アルバム/曲、「バイツァ・ダスト」は「Another One Bites the Dust」から。
- アトム・ハート・ファーザー
- 元ネタ:Pink Floyd『Atom Heart Mother』(タイトルを“Father”にもじり)
- ハイウェイ・スター(音石明)
- 元ネタ:Deep Purple「Highway Star」
- レッド・ホット・チリ・ペッパー
- 元ネタ:Red Hot Chili Peppers(アメリカのロックバンド)
- エコーズ(広瀬康一)
- 元ネタ:Pink Floyd「Echoes」
食べ物・生活感×音楽ネタ系
- パール・ジャム(トニオ)
- 元ネタ:Pearl Jam(グランジバンド)
- ラット(虫喰い)
- 元ネタ:Ratt(ヘヴィメタルバンド)
- シンデレラ(山岸由花子の行きつけの美容室のスタンド)
- 元ネタ候補:バンド「Cinderella」や映画・楽曲など諸説ありだが、80年代ヘヴィメタルバンドの影響が有力。
- スーパーフライ
- 元ネタ:Curtis Mayfield「Super Fly」
- ラブ・デラックス
- 元ネタ:Sade のアルバム『Love Deluxe』
- エニグマ
- 元ネタ:ドイツの音楽プロジェクト Enigma
ソウル/R&B/ポップ系
- ボーイ・II・マン
- 元ネタ:Boyz II Men(R&Bグループ)
- アース・ウインド・アンド・ファイア
- 元ネタ:Earth, Wind & Fire(ファンク/ソウルバンド)
- チープ・トリック
- 元ネタ:Cheap Trick(ロックバンド)
このあたりまで押さえておくと、第4部はかなり“音楽で読める”ようになります。
特に吉良吉影まわりは Queen と Pink Floyd へのオマージュが集中していて、
彼の異様な美学と音楽の雰囲気が綺麗に重なります。
第5部「黄金の風」
イタリアのギャングと“ロック名盤”たちの饗宴
第5部は、音楽ネタ密度が一気に上がるパートです。
ジョジョWikiの「参照リスト」によると、第5部スタンドの多くがバンド名・楽曲名・アルバム名由来であることが明記されています。
ここでは、主要な音楽オマージュをほぼ網羅していきます。
主人公チーム
- ゴールド・エクスペリエンス(ジョルノ)
- 元ネタ:Prince『The Gold Experience』
- スティッキィ・フィンガーズ(ブローノ・ブチャラティ)
- 元ネタ:The Rolling Stones『Sticky Fingers』
- ムーディー・ブルース(レオーネ・アバッキオ)
- 元ネタ:The Moody Blues(イギリスのロックバンド)
- セックス・ピストルズ(グイード・ミスタ)
- 元ネタ:Sex Pistols(パンクバンド)
- エアロスミス(ナランチャ)
- 元ネタ:Aerosmith(アメリカのロックバンド)
- パープル・ヘイズ(フーゴ)
- 元ネタ:Jimi Hendrix「Purple Haze」
- スパイス・ガール(トリッシュ)
- 元ネタ:Spice Girls(イギリスのガールズグループ)
- ラッシュ時の掛け声「ワナビー」は、彼女たちの代表曲「Wannabe」を踏まえたネタとされます。
ボス・暗殺チーム側
- キング・クリムゾン(ディアボロ/ドッピオ)
- 元ネタ:King Crimson(プログレバンド)、能力名「エピタフ」は同バンドの曲「Epitaph」。
- ブラック・サバス(ポルポ)
- 元ネタ:Black Sabbath(ヘヴィメタルバンド)
- ソフト・マシーン
- 元ネタ:Soft Machine(カンタベリーロックのバンド)
- クラフト・ワーク
- 元ネタ:Kraftwerk(ドイツのテクノ・ユニット)
- リトル・フィート
- 元ネタ:Little Feat(ロックバンド)
- マン・イン・ザ・ミラー
- 元ネタ:Michael Jackson「Man in the Mirror」
- ビーチ・ボーイ
- 元ネタ:The Beach Boys
- ザ・グレイトフル・デッド
- 元ネタ:Grateful Dead(ジャムバンド)
- ベイビィ・フェイス
- 元ネタ:R&B歌手 Babyface
- ホワイト・アルバム
- 元ネタ:The Beatles のセルフタイトルアルバム「White Album」
- クラッシュ
- 元ネタ:The Clash(パンクバンド)
- トーキング・ヘッド
- 元ネタ:Talking Heads(ニューウェーブバンド)
- メタリカ
- 元ネタ:Metallica(ヘヴィメタルバンド)
- グリーン・ディ
- 元ネタ:Green Day(パンクバンド)
- オアシス
- 元ネタ:Oasis(ブリットポップバンド)
- ローリング・ストーンズ
- 元ネタ:The Rolling Stones(ロックバンド)
そしてあなたから指定のあった重要スタンド:
- ノートリアス・BIG
- 元ネタ:The Notorious B.I.G.(アメリカの伝説的ラッパー)
- 本体死亡後に“怨念”のように暴走するスタンド。若くして銃撃されたラッパーの人生と、「死後もなお存在感を放ち続ける」イメージが深く重なります。
- ※番外:チャリオッツ・レクイエム、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム
- Requiem(レクイエム)はモーツァルトらによる宗教音楽「レクイエム」の系譜を踏まえた命名とされます。
第5部は、こうして一覧にすると**「ロック/ポップ/R&B教科書」状態**なのがよく分かります。
イタリア舞台のギャングものというだけでも濃いのに、
スタンド名まで世界の名盤で埋め尽くされている、恐ろしい密度のパートです。
第6部「ストーンオーシャン」
プリズンブレイクと音楽ネタのカオスな大洪水
第6部になると、音楽オマージュはさらに多様化し、
ハードロックからジャズ、ヒップホップまでジャンルレスに広がっていきます。
ジョジョWikiの「Stone Ocean Stands」カテゴリをもとに、
主要なスタンドとその元ネタを整理すると、次のようになります。
主人公・主要キャラ側
- ストーン・フリー(空条徐倫)
- 元ネタ:Jimi Hendrix「Stone Free」
- フー・ファイターズ(F.F.)
- 元ネタ:Foo Fighters(アメリカのロックバンド)
- ウェザー・リポート(ウェザー・リポート)
- 元ネタ:Weather Report(ジャズ/フュージョンバンド)
- ダイバー・ダウン(アナスイ)
- 元ネタ:Van Halen『Diver Down』説が有力。
- キッス(エルメェス)
- 元ネタ:Kiss(ロックバンド)
- バーニング・ダウン・ザ・ハウス
- 元ネタ:Talking Heads「Burning Down the House」
- サバイバー
- 元ネタ:Survivor(「Eye of the Tiger」でおなじみのバンド)
敵スタンド側(音楽ネタ超豊富ゾーン)
- グー・グー・ドールズ
- 元ネタ:Goo Goo Dolls(オルタナロックバンド)
- 人を小さくする能力と、バンド名の持つ“子供っぽさ”と“大人の痛み”のギャップが印象的。
- マンハッタン・トランスファー
- 元ネタ:The Manhattan Transfer(ジャズ/ポップグループ)
- ホワイトスネイク(エンリコ・プッチ)
- 元ネタ:Whitesnake(ハードロックバンド)
- C-MOON
- 元ネタ:John Lennon「C Moon」等、ポール・マッカートニー&ウイングスの楽曲「C Moon」説など諸説あり。
- メイド・イン・ヘブン
- 元ネタ:Queen「Made in Heaven」
- ジャンピン・ジャック・フラッシュ
- 元ネタ:The Rolling Stones「Jumpin’ Jack Flash」
- グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム
- 元ネタ:同名カントリーソング「Green, Green Grass of Home」
- ハイウェイ・トゥ・ヘル
- 元ネタ:AC/DC「Highway to Hell」
- プラネット・ウェイブス
- 元ネタ:Bob Dylan『Planet Waves』
- スカイ・ハイ
- 元ネタ:Jigsaw「Sky High」や同名曲/作品群。
- アンダー・ワールド
- 元ネタ:Underworld(エレクトロニック・ミュージックのユニット)説が有力。
そして、あなたが指定してくれた“第6部の濃い面々”:
- リンプ・ビスキット
- 元ネタ:Limp Bizkit(ニューメタルバンド)
- 死体をゾンビ化させる、血と暴力のスタンド。ニューメタルの荒々しいサウンドと第6部のカオス感が異常にハマります。
- マリリン・マンソン
- 元ネタ:Marilyn Manson(ショックロッカー)
- 「借金の取り立て」という“罪の清算”能力で、道徳観をひっくり返すところがマンソンらしい。
- グー・グー・ドールズ(前述)
- さらに、ボヘミアン・ラプソディ
- 元ネタ:Queen「Bohemian Rhapsody」
第6部はこうして見ると、
ロック名曲+ジャズ+カントリー+メタル+エレクトロまで全部乗せの状態。
刑務所という閉じた空間の中で、世界中の音楽要素が暴れ回る、凄まじくカオスなパートです。
海外版で名前が変わる“ローカライズ問題”
ここまで音楽ネタまみれだと、当然ながら権利問題が出てきます。
英語版コミックスやアニメでは、
- Crazy Diamond → Shining Diamond
- Killer Queen → Deadly Queen
- Sticky Fingers → Zipper Man
- Limp Bizkit → Limp Viscuit
- Spice Girl → Spicy Lady
- Goo Goo Dolls → Coo Coo Dolls
- Marilyn Manson → Mary Lynn Manson
など、さまざまな“回避名”が公式に使われています。
VIZ Media や配信プラットフォーム側は、
- アーティスト名・楽曲名そのものを使うと商標・著作権トラブルのリスクが高い
- アニメ/ゲーム化で世界配信される以上、慎重にならざるを得ない
といった理由から、こうしたローカライズを行っていると説明しています。
日本語版の「キラー・クイーン」「クレイジー・ダイヤモンド」「リンプ・ビスキット」などは、
ある意味“オリジナル完全版”であり、
英語版の名前は「権利的に安全な別名」と考えると整理しやすいです。
音楽オマージュが“ジョジョの面白さ”をどう増幅しているか
ここで一度、なぜここまで音楽ネタが効いているのかを整理してみます。
- 名前の響きが強い
- Killer Queen, King Crimson, Gold Experience, Stone Free… そもそも音としてカッコいい単語が多い。
- 元ネタの“イメージ”がキャラ性とリンクしている
- ノートリアス・BIG:死後も暴れる存在
- スパイス・ガール:柔らかいけど強い、ガールパワー
- グー・グー・ドールズ:子供/大人の境界と痛み
- リンプ・ビスキット:荒々しく破壊的な混沌
- マリリン・マンソン:罰・報い・ショック
- 読んだあとに音楽を“逆輸入”で楽しめる
- スタンド名からSpotifyやYouTubeで元ネタを探しにいく読者が多く、 「JoJo Stand Musical References」というプレイリストまで存在するほど。
- 物語世界の“厚み”が増す
- 杜王町で鳴っているのは、実は世界中の名盤たちの残響。
- ギャングたちの背後には、ロックの歴史がうごめいている。
- 刑務所の中にも、ニューメタルやジャズがこだましている。
これらが積み重なって、
ジョジョは単なるバトル漫画ではなく、
**世界の音楽カルチャーが流れ込んだ“クロスオーバー作品”**になっているのです。
映画・アニメ好きへの“ジョジョ音楽視聴術”
映画好き・アニメ好きの視点から、
ジョジョの音楽オマージュを楽しむちょっとしたコツも添えておきます。
- 第4部を観るとき
- Pink Floyd と Queen をプレイリストに入れておく
- 杜王町の静かな日常の裏で、どこかにあのギターが鳴っていると想像する
- 第5部を観るとき
- ローリング・ストーンズ、King Crimson、Prince、Sex Pistols、Spice Girls などをシャッフル再生
- イタリアの街並みとロック名盤の相性を楽しむ
- 第6部を観るとき
- Jimi Hendrix、Foo Fighters、Whitesnake、Limp Bizkit、Marilyn Manson、Weather Report などを並べておく
- 刑務所を舞台にした映画(ショーシャンクの空に 等)と音楽を頭の中で重ねてみる
こうして**「映像+音楽+スタンド名」**を三位一体で味わうと、
ジョジョはもはや“サウンドトラック付き映画シリーズ”のような体験になります。
ジョジョの音楽オマージュが好きな人におすすめの作品
最後に、ジョジョの音楽ネタが刺さった人へ、
ぜひあわせて観てほしい/聴いてほしい作品をいくつか。
- ベイビードライバー
- 音楽とカット割りを完全にシンクロさせたカーアクション。 「曲に合わせて世界が動く」という感覚は、ジョジョのスタンド名に通じるものがあります。
- スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
- コミック的演出×バンド活動×ゲーム的バトルのごった煮映画。 ポップカルチャーと現実が混ざる感覚はかなりジョジョ的。
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
- 古い名曲とスペースオペラが融合したマーベル映画。 「選曲がキャラ性を語る」という意味で参考になります。
- 実写版/アニメ映画版ジョジョ
- 音楽の選び方やサントラの使い方に、原作の“音楽オマージュ精神”がどう活かされているかを意識して観ると、二度おいしいです。
まとめ
第4部〜第6部は“ストーリー付きロック・ポップス百科事典”である
ここまで見てきたように、
- 第4部は Pink Floyd&Queen を軸にしたロック/ソウルの宝石箱
- 第5部はロック名盤とR&Bがギャング抗争の裏で鳴り続けるイタリア編
- 第6部はロック/ジャズ/メタル/ニューメタル/エレクトロが刑務所と世界の終わりを彩るカオス編
と言っても過言ではありません。
特に今回ピックアップした
- ノートリアス・BIG
- スパイス・ガール
- グー・グー・ドールズ
- リンプ・ビスキット
- マリリン・マンソン
といったスタンドは、
**アーティスト本人のイメージとスタンド能力が強烈に結びついた“象徴的な音楽オマージュ”**です。
ジョジョをこれから読み返すときは、
ぜひスタンド名を一つひとつ検索し、
元ネタの曲を聴きながらページをめくってみてください。