ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 徹底解説イタリアを駆けるギャングスターたちの「正義」とは何か

なぜ今「黄金の風」がこんなに刺さるのか

ジョジョ第5部「黄金の風」は、

舞台をイタリアに移し、ギャングというアウトローたちの中で

「正義」と「成り上がり」を描いた、シリーズでも異色のパートです。

アニメとしては

ジョジョアニメシリーズ第4期として全39話が制作され、

2018年10月から2019年7月まで放送されました。

主人公はジョルノ・ジョバァーナ。

DIOの息子でありながら、ジョースターの血を受け継いだ少年です。

・舞台は2001年のイタリア

・ギャング組織パッショーネを内側から変えようとする少年

・仲間たちとの「チームバトル」と、見えないボスとの頭脳戦

これらが絡み合うことで、

黄金の風は「犯罪ドラマ」と「能力バトル」と「青春群像劇」が

奇妙にブレンドされた、唯一無二の作品になっています。

この記事では世界一のライターかつ映画評論家として、

  • 作品概要とストーリーの魅力
  • キャラクターとスタンドの個性
  • アニメ版ならではの演出と音楽
  • 荒木飛呂彦が第5部に込めたテーマや裏話
  • 映画好き・アニメ好き視点での楽しみ方
  • 黄金の風が好きなら見るべき関連作品

まで、読み始めたら止まらないテンションで語り尽くします。


作品概要

「黄金の風」はジョジョ第5部にして、アニメ第4期

原作コミックスとしての第5部は

  • タイトル:ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風(Vento Aureo)
  • 作者:荒木飛呂彦
  • 掲載誌:週刊少年ジャンプ
  • 連載期間:1995年〜1999年ごろ

を飾る長編エピソードです。

アニメ版「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」は

  • 制作:david production
  • 話数:全39話
  • 放送期間:2018年10月〜2019年7月
  • 原作第5部をフルアニメ化したシーズン4

として制作されました。

監督は津田尚克(チーフディレクター)を中心に、

木村泰宏、高橋秀弥らがシリーズディレクターとして参加し、

シリーズ構成はおなじみ小林靖子。

キャラクターデザインは岸田隆宏、音楽は菅野祐悟が担当しています。

ジャンルとしては、

アクション、アドベンチャー、クライム、サスペンス、ドラマ、超自然

といった要素を併せ持つ、非常に情報量の多い作品です。


あらすじ

ギャングスターに憧れた少年が、ボスを裏切る物語

黄金の風の主人公は、15歳の少年ジョルノ・ジョバァーナ。

彼はイタリア・ネアポリスで生まれ育った孤独な少年ですが、

実はDIOの息子であり、ジョナサン・ジョースターの肉体を通して

ジョースターの血を受け継いだ存在でもあります。

彼の夢は「ギャングスターになること」。

ギャングスターとは

  • 単なるマフィアではなく
  • ギャングでありながらスターのように輝き
  • 弱い者を守り、麻薬から子どもたちを救う存在

という、ジョルノなりの理想像です。

彼はギャング組織パッショーネに所属する

ブローノ・ブチャラティと出会い、

その正義と覚悟に惚れ込み、彼の部下として組織に入ります。

やがてジョルノとブチャラティは、

  • 組織のボスは子どもに麻薬を売ることを止める気がない
  • むしろ裏で麻薬ビジネスを牛耳っている張本人

だと知り、

パッショーネの内部からボスを倒し、組織を乗っ取る決意を固めます。

物語は

  • ジョルノが新入りとしてチームに加わるエピソード
  • ナポリから始まる護衛任務
  • ボスの娘トリッシュを守る旅
  • ボスの正体を追う頭脳戦
  • 「裏切り者」同士のスタンドバトル
  • そして矢を巡るレクイエムバトルと、ボスとの最終決戦

と、イタリア各地を巡るギャング映画さながらの展開で進んでいきます。


黄金の風ならではの魅力

「チーム戦」と「裏切り」が作る緊張感

第5部の大きな魅力は、

主人公が常に「チーム」の一員として戦う点にあります。

ブチャラティチームには

  • ブローノ・ブチャラティ
  • グイード・ミスタ
  • ナランチャ・ギルガ
  • レオーネ・アバッキオ
  • パンナコッタ・フーゴ
  • 後に合流するトリッシュ・ウナ

といった個性だらけのメンバーが所属しており、

ジョルノはあくまでチームの中の一人として動きます。

そのため、

  • 1対1の決闘だけではなく
  • 2対2
  • チーム同士の乱戦
  • 一人が囮になり、別のメンバーが仕留める

といった「複数スタンドの連携戦」が頻出するのが特徴です。

さらに相手は、

同じパッショーネ内でボスに反旗を翻した「暗殺チーム」や、

ボス側の精鋭チームといった、

こちらと同じく“裏切り者”“反逆者”たち。

  • 正義のためにボスを裏切るブチャラティチーム
  • 自分たちの権利や利益のためにボスを裏切る暗殺チーム

という、鏡写しのような構図が

各バトルに深みを与えています。


主要キャラクターとスタンド

イタリアンギャングたちの「能力」と「生き様」

ジョルノ・ジョバァーナ / スタンド:ゴールド・エクスペリエンス

ジョルノのスタンドは

  • 無機物から生物を生み出す
  • 生物に攻撃を与えた相手の五感を暴走させる
  • 傷を「生命エネルギー」で癒やす

といった“生命操作系”の能力です。

終盤では「矢」によって進化し、

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムとして

事象そのものを「ゼロ」に戻すチート級の能力を手に入れます。

見た目は穏やかながら、敵には容赦しない冷静さと、

仲間の命を絶対に無駄にしない信念を併せ持つ、

シリーズでも特に“王道主人公”寄りのジョジョです。

ブローノ・ブチャラティ / スタンド:スティッキィ・フィンガーズ

ブチャラティのスタンドは

  • 物体にジッパーをつけ、開け閉めできる
  • 自分の体も分解し、別位置から出入りできる

という、一見コミカルな能力ですが、

戦闘・移動・防御・運搬と万能に活躍します。

  • 組織の中では珍しい「筋の通ったギャング」
  • 子どもを薬物から守るために命を賭ける
  • 自分の死を覚悟しても仲間を最優先する

という人格で、実質的には第5部のもう一人の主人公とも言える存在です。

グイード・ミスタ / スタンド:セックス・ピストルズ

ミスタのスタンドは

  • 六体の小さなスタンド(1〜7のうち4だけ欠番)
  • 弾丸をキックして軌道を自在に変える

という、銃とスタンドのコンビネーション能力。

ミスタ自身の

  • 極端な「4」嫌い
  • 陽気で雑だが、誰よりも仲間思い

といったキャラも相まって、

シリーズ屈指の愛されキャラになっています。

ナランチャ・ギルガ / スタンド:エアロスミス

戦闘機型スタンドで

  • 空を飛び
  • 機銃掃射と爆撃が可能
  • 二酸化炭素を感知して索敵する

という、偵察と攻撃を兼ねた能力。

ナランチャ自身の過酷な過去と、

ブチャラティに救われた経緯が明かされるエピソードは、

黄金の風の中でも特に胸を打つパートです。

レオーネ・アバッキオ / スタンド:ムーディー・ブルース

  • 過去の出来事を「再生」する
  • 現場を巻き戻して真実を再現する

という、捜査向きの能力を持つスタンド。

元警官でありながら、

罪悪感から落ちぶれギャングになった過去を持つ彼は、

ブチャラティの「絶対に信頼できる目」として描かれます。

パンナコッタ・フーゴ / スタンド:パープル・ヘイズ

  • 球体からウイルスを撒き散らす
  • 触れたものを短時間で殺す猛毒スタンド

という、チーム内でも屈指の危険能力。

しかしその危険性ゆえ、

フーゴは物語中盤でボスへの反逆に踏み切れず、

ブチャラティたちと別れる選択をします。

この“離脱”の展開は、

ジャンプ少年漫画としてはかなり異例ですが、

そのリアルさが逆に第五部の味になっています。

トリッシュ・ウナ / スタンド:スパイス・ガール

ボスの娘として登場し、

当初は「守られる存在」だったトリッシュが

自分の意志で戦うようになる成長譚も、

黄金の風を語るうえで欠かせない軸です。


敵キャラとスタンド

暗殺チームとボス、そしてレクイエムへ

黄金の風の敵側には、

ボスに反旗を翻した「ラ・スクアドラ・エスキューシオーニ(暗殺チーム)」や、

ボス直属の護衛チーム、そしてボス本人が立ちはだかります。

暗殺チームは

  • リゾット・ネエロ
  • プロシュート
  • ペッシ
  • メローネ
  • ギアッチョ
  • イルーゾォ
  • チョコラータとセッコ(正確には別系統)

など、名前を挙げるだけでも濃すぎるメンツ。

それぞれのスタンドが

  • 鉄分操作
  • 時間を早めるような老化
  • 温度操作
  • 鏡の世界への引きずり込み
  • カビ
  • 地面の柔体化

といった、読むだけで頭が痛くなるレベルのトリッキー能力を持ち、

毎回新しいギミックでブチャラティチームを追い詰めます。

そしてラスボスは、ボス・ディアボロ。

彼のスタンド「キング・クリムゾン」は

  • 時間を先読みし
  • その間の出来事を「なかったこと」にする

という、説明されても頭が混乱するほどの能力です。

彼のもう一つの人格・ドッピオとの入れ替わりや、

ローマのコロッセオでのポルナレフ再登場、

矢を巡る「レクイエム」化バトルなど、

終盤はサスペンスとホラーと時間ものが全部入りのカオス状態。

それでいて、ジョルノたちの目的は最後まで一貫して

「ボスを倒し、組織を自分たちの理想の形に変える」

というシンプルさを保っているのが、構造的に美しいところです。


アニメ演出と音楽

ファッションショーのような画面と、映画級のサウンド

アニメ版黄金の風は、

映像と音楽のクオリティが非常に高く、

海外メディアからもシリーズ随一と評価されています。

色彩設計とキャラデザ

  • 目が覚めるようなパステルカラー
  • ピンクの空、緑の建物、紫の影
  • モード系ファッション雑誌のような服装とポーズ

とにかく「立っているだけで画になる」キャラクターたちを、

岸田隆宏のデザインとdavid productionの作画が全力で魅せてくれます。

オープニングとエンディング

OPテーマは

  • Fighting Gold(Coda)
  • Tranquility Baseを経て、Traitor’s Requiem

など、タイトルからして黄金の風そのもの。

EDは実在の洋楽

  • Jodeci「Freek’n You」

が使用され、イタリアの夜景と相まって

奇妙なオシャレ感を放っています。

BGMは菅野祐悟が担当し、

  • イタリア映画風の哀愁あるメロディ
  • ギャング映画的な緊張感のあるビート
  • スタンドバトルの高揚感を支えるオーケストレーション

が絶妙なバランスでミックスされています。


黄金の風に込められたテーマ

「正義」と「成り上がり」と「継承」

第5部を一言でまとめるなら

「ギャングスターとは何か」を問う物語です。

ジョルノは、ただのギャングになりたいわけではありません。

  • 貧困や暴力に苦しむ子ども時代
  • 自分に手を差し伸べてくれた善良なギャングとの出会い
  • そのギャングが組織に消されてしまった経験

これらが彼に

  • 自分のような子どもを二度と生まない
  • 犯罪の世界の中から、腐敗の根を断ちたい

という強い動機を与えます。

そしてブチャラティたちメンバーもまた、

  • 家庭崩壊
  • 差別
  • 貧困
  • 罪悪感

といった、それぞれの傷を抱えています。

彼らは「社会の表側」には居場所がなく、

結果としてギャングの世界に流れ着いた人間たちです。

そんな彼らが

  • お互いを認め合い
  • 命を張って守り合い
  • 組織の頂点にいる“無名のボス”と戦う

という物語は、

単なるマフィア映画や裏社会ものを超えて、

「居場所を求める若者たちの成長譚」になっています。

また、ジョルノはDIOの息子であり、

ジョースターの血も引いているという

シリーズ屈指の“継承キャラ”。

  • 初代ジョナサンの肉体
  • DIOのカリスマ
  • そしてジョルノ自身の優しさと冷静さ

それらが混ざり合った結果としての

「黄金の意思」を見ることができるのも、

長くジョジョを追いかけてきたファンにはたまらないポイントです。


映画・アニメ好きに刺さる鑑賞ポイント

ここからは、映画好き・エンタメ好き・アニメ好き目線で

黄金の風をどう楽しむか、という話をします。

ギャング映画として

  • 組織の中での階級構造
  • ボスの正体が最後まで見えないサスペンス
  • 裏切りと忠誠のせめぎ合い
  • 仲間を失う重さ

これらは完全にギャング映画の文法です。

「ゴッドファーザー」「スカーフェイス」などを

観たことがある人なら、

黄金の風がその系譜にあることをすぐに感じられるはずです。

ロードムービーとして

  • ナポリ
  • ポンペイ
  • カプリ島
  • ヴェネツィア
  • サルデーニャ
  • ローマ

と、イタリア各地を転々とする構成は、

観光映画として見ても楽しいレベルです。

実際のイタリア旅行で

「この場所、黄金の風で見たやつだ」とテンションが上がる人も多いはず。

能力バトルとして

スタンドの能力は相変わらずトリッキーですが、

第五部では

  • 環境利用
  • チーム連携
  • 能力の応用

が特に強調されます。

  • 敵の能力を逆手に取る
  • 味方スタンドとのコンボで局面をひっくり返す
  • そもそも正面から殴り合わない

といった、戦略性の高いバトルが多く、

「どうやってこの状況を打開するのか」という

パズル的な面白さがあります。


制作の裏側と、今後の展開

黄金の風は、

荒木飛呂彦の画風が

よりファッション的・モード的な方向へ進化した時期の作品でもあります。

  • 細身で長身のキャラクター
  • 奇抜な衣装
  • モチーフを強く意識したスタンドデザイン

などは、第五部以降の荒木作品の特徴そのものです。

またアニメシリーズとしては、

黄金の風の次に「ストーンオーシャン」がNetflixで配信され、

現在は「スティール・ボール・ラン」のアニメ化が正式発表されるなど、

ジョジョアニメはまだまだ続きます。

黄金の風で確立された

  • チームバトルの見せ方
  • カラー演出の極端さ
  • 音楽と映像の融合

は、その後のシリーズにも引き継がれていく重要なステップでした。


黄金の風が好きならおすすめしたい作品

ジョジョシリーズ内

  • ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第5部の2年前の話。康一や承太郎の活躍を見てから黄金の風を観ると、 冒頭の「イタリアに派遣された康一」の意味がより深まります。
  • ストーンオーシャン 時系列的には第6部。ジョルノの直接登場はありませんが、 組織や矢の設定など、第5部で張られた伏線が世界観の基盤になっています。

映画・ドラマ

  • ゴッドファーザー
  • スカーフェイス
  • グッドフェローズ

など、ギャングものの王道は

黄金の風の「裏切りと忠誠」のドラマを

別角度から味わうのにぴったりです。

アニメ

  • BANANA FISH 犯罪組織の中で若者たちが自由を求めるという構図が近く、 黄金の風に刺さった人には強くおすすめできます。
  • ブラックラグーン アウトローたちの仕事ぶりと、銃撃戦・アクションの快感を求める人に。

まとめ

「黄金の意思」は、誰から誰へ受け継がれたのか

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風は

  • ギャングスターを目指す少年の物語であり
  • 傷だらけの若者たちが居場所を見つける物語であり
  • 腐敗した頂点を倒し、組織を作り変える革命の物語

です。

ジョナサンから始まったジョースターの「正義」は、

DIOという宿敵を経由し、

ジョルノという形でいったんの到達点を迎えます。

  • 世界を救うのではなく
  • イタリアの裏社会という限られたフィールドで
  • 自分なりの正義を貫く

その姿は、現代を生きる視聴者にとっても

どこかリアルで、どこか羨ましく映るはずです。

映画好き、エンタメ好き、アニメ好き。

どんな入り口からでもかまいません。

まだ黄金の風をちゃんと観ていないなら、

ぜひアニメ39話を通して

ジョルノたちの「黄金の旅路」を体験してみてください。

きっと視聴後には、

あなたの中にも一本、

折れない「黄金の意志」がすっと通っていることに気づくはずです。

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