漆黒のチュチュが炸裂する暗殺バレエ――『バレリーナ』徹底ガイド

はじめに――ジョン・ウィック世界を彩る新たなプリマドンナ

2025年8月22日、日本公開――『ジョン・ウィック』シリーズ初の公式スピンオフとして誕生した『バレリーナ』は、「美」と「殺意」を併せ持つ新世代アクションの最高峰です。主演に迎えられたのは、『ナイブズ・アウト』や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で観客を魅了してきたアナ・デ・アルマス。本作では、冷徹な暗殺者としての顔と、しなやかなバレリーナとしての二面性を完璧に体現し、観る者の心を一瞬で鷲掴みにします。

また、シリーズ最大の顔見せとしてキアヌ・リーブス演じるジョン・ウィックがスクリーンに再登場。ウィックと新たなヒロイン・イヴが交錯する瞬間は、まさに“Wickverse”の深淵を覗かせるプロローグとして機能します。本記事では、映画好き・アメコミ/アクション好きの皆さんに向け、本作の見どころを余すところなく解説します。


1. キャスト&スタッフ総覧

  • イヴ・マカロ/コードネーム“バレリーナ”:アナ・デ・アルマス 幼少時に暗殺者一族に引き取られ、バレエと暗殺術を同時に極めた“血のプリマドンナ”。静と動を行き来するその演技は、本作最大の見どころ。
  • ジョン・ウィック:キアヌ・リーブス 本編では短いカメオながら、流れるようなコンビネーションアクションと、イヴへの静かな視線がシリーズファンの胸を熱くする。
  • ウィンストン:イアン・マクシェーン コンチネンタル・ホテルの支配人。イヴを預かる“父”的存在として、物語全体に深い安心感をもたらす。
  • チャロン:ランス・レディック ホテルの“執事”役。冷静沈着なサポートは、イヴとウィックの会合シーンを引き締める重要キャラクター。
  • ギルダ:アンジェリカ・ヒューストン 裏社会の大物として登場。イヴの師匠への忠誠心と、自身の野望を同時に描く。
  • 監督:レン・ワイズマン
  • 脚本:シェイ・ハッテン
  • 製作総指揮:チャド・スタヘルスキー、デヴィッド・リーチ

2. あらすじ――舞台はジョン・ウィック3~4の狭間

物語は、『ジョン・ウィック:チャプター3 – パラベラム』と『チャプター4』の間を描く。当時、ウィックがコンチネンタルに足止めを食らっていた裏で、新たな暗殺者イヴは父親の仇を追う復讐劇を開始。バレエ団の舞台で華麗に舞うかと思えば、その舞台裏では観客に見えない“血のダンス”が繰り広げられます。

やがてイヴは、師匠から託された「死の祝祭」を終えるため、コンチネンタルへと足を運ぶ。そこに偶然居合わせたのが、キアヌ・リーブス演じるジョン・ウィック。「世界最強の暗殺者」と「血のバレリーナ」が交錯する瞬間は、まさにWickverseの新たな幕開けです。


3. 見どころ徹底分析

3.1 “血のバレエ”アクション

クラシック音楽に合わせた舞踏と、銃弾やナイフが飛び交うバトルがシームレスに融合。トウシューズでのスキップから、次の瞬間に敵を切り伏せる“間”の取り方は、振付監修が生んだ独自の美学です。

3.2 イヴの二面性──静と動の狭間

舞台では優雅にポーズを決めるイヴが、一歩袖に回れば遺体の山を築く暗殺マシーンへと変貌。アナ・デ・アルマスは、その激しい心の揺れ動きを表情と所作の端々で表現し、二面性キャラクターとしての完成度を極限まで高めました。

3.3 Wickとの“邂逅”シーン

ジョン・ウィックとの共闘は本編クライマックスの花形。背中合わせで敵を殲滅するダブルデスアンサンブルは、シリーズ屈指のカタルシスを提供します。リーブス自身も「イヴの動きに食らいつき、互いを映す鏡のようだった」と絶賛するほどの相性の良さが画面にあふれています。

3.4 裏社会の掟と人情

コンチネンタルの支配人ウィンストンがイヴに放つ「ルールを忘れるな」という言葉は、シリーズファンなら胸に刺さる名セリフ。舞台裏に潜む〝掟〟と、ウィンストン&チャロンの人情味あふれるサポートが、イヴの孤独な戦いを優しく包み込みます。


4. 血とチュチュの舞台裏

4.1 振付とスタントの融合

撮影は緻密に計算されたワンシットショットで行われ、アナ自身がスタントチームと連日リハーサルを重ねたという逸話も。実際、特撮なしのカメラワークで捉えられた“刃のスウィング”は生々しさ満点です。

4.2 ビジュアルとライティング

陰影を強調するピーター・ジャンセン撮影監督の光と闇のコントラスト。スポットライトが舞台を切り裂くように映し出すライティングは、バレエの演出そのもの。暗闇の中で踊るプリマドンナを、カメラが妖しく追いかけます。

4.3 音楽と音響設計

スコアはエレクトロニックとオーケストラを交錯させたモダンな仕立て。鍵盤チェロの低音が床を震わせる中、足音や鋼鉄の衝突音がダイナミックにミックスされ、劇場内に響く振動はまるで身体を貫くかのようです。


5. キアヌ・リーブスという“伝説”

  1. “一人称アクション”の先駆者 ウィックシリーズで磨き上げた素手格闘とガンアクション。『バレリーナ』でも、彼のしなやかな身のこなしがイヴと見事にシンクロ。
  2. 静寂を裂く銃声の余韻 リーブスのアイコンとも言える“1発必中”の銃撃シークエンスは、本作でも健在。イヴの優雅さとの対比がスクリーンに新たな緊張感を生み出します。
  3. 演技派俳優としての深化 カメオ出演とは言え、イヴに放つ一瞥や、廊下での静かな佇まい──キアヌならではの“沈黙で語る演技”が、本作のトーンを決定付けています。

6. 日本公開情報&まとめ

  • 公開日:2025年8月22日(金)全国ロードショー
  • 上映フォーマット:IMAX/MX4D/4DXほか、主要プレミアムスクリーン対応

『バレリーナ』は、ジョン・ウィックシリーズの世界観を拡張しつつ、アナ・デ・アルマス演じる新たなヒロイン像を鮮烈に刻み込んだ一大叙事詩。緻密に振付けられた“血のバレエ”、キアヌ・リーブスとの炎と氷のような共闘、そしてコンチネンタルに刻まれる裏社会の掟と人情。全てがアクション映画の醍醐味を体現します。

8月22日、劇場の暗闇で漆黒のチュチュが舞う瞬間を、ぜひ目撃してください。あなたの心に忘れられない“極上のアクション芸術”が刻まれることでしょう。

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